2024/09/27
8月15日~18日、インドネシア・ジョグジャカルタで、WASLIアジア手話通訳者会議2024が開催されました。インドネシアを訪れるのは初めてのことで、文化の違いなど痛感することがありました。
まず、インドネシアは約13,500もの島々からなる世界最大の島しょ国家です。人口は約2.75億人で、インド、中国、米国に次いで世界第4位。総人口の約6割が全国土面積の約7%に過ぎないジャワ島に集中しています。今回アジア会議が開催されたジョグジャカルタも首都ジャカルタもジャワ島にあります。残りの4割が1万3千余りの島々で暮らしています。一つの国とはいえ言語も文化も異なる300もの民族が共存しています。イスラム教を信仰している人が約87.2%で世界最大のイスラム人口を有しますが、イスラム教は国教ではありません。しかし、公的に認められた6つの宗教(イスラム教、キリスト教(カトリック・プロテスタント)、ヒンズー教、仏教、儒教)いずれかへの信仰が必要とされています。ムスリム(イスラム教徒)は一日5回礼拝します。空港では、随所に礼拝室が設けられています。男女別の室内にはメッカの方角を示す印があり、
2024/09/27
8月15日~18日、インドネシア・ジョグジャカルタで、WASLIアジア手話通訳者会議2024が開催されました。コロナ禍のステイ期間を乗り越え、今回は会場集合とオンラインのハイブリット型での開催となりました。ジョグジャカルタの会場参加は、16か国・特別行政区から49人(ろう者11人・聴者38人)。オンラインでは5か国から20人の参加がありました。
WASLI(世界手話通訳者協会)の目的は、「ろう団体と連帯し、すべての国に手話通訳者組織を創設し、手話通訳を専門職として確立する」ことです。その目的に向けて各地でさまざまな活動を展開しているわけですが、今回アジアでは16日と17日の二日間で、4つのセッションを行いました。
◆セッション1「国際手話通訳認定について」(講演・質疑応答)
◆セッション2「手話通訳の養成と資格認定システムについて」(レポート発表)
◆セッション3「手話通訳者協会結成の取り組み」(パネルディスカッション)
◆セッション4「WASLIアジアの現状と課題」(グループディスカッション・全体会)
2024/07/27
8月15日~18日、インドネシア・ジョグジャカルタで、WASLIアジア手話通訳者会議2024が開催されます。2006年から継続的に開催されている会議です。世界ろう者会議や世界手話通訳者会議が開催される年は、その会期中に行われますが、その間の3年間は、アジアのどこかの国または地域でWFDアジア地域事務局代表者会議とWFDアジア青年部キャンプ、アジア手話通訳者会議を同じ会場で開催してきました。東北ろうあ者大会と東北地区手話問題研究大会が一緒に開催されるのと同じような感じですね。
私は、2018年12月にタイで開催されたアジア会議に初めて参加しました。WFDアジア地域事務局代表者会議のプログラムの中に「Women Group Discussion(アジアろう女性ディスカッション)」という時間がありました。男性をシャットアウトした女性のみ(性転換した人も含む)の会議です。本来ならばろう女性のみが集まる場でしたが、私たち手話通訳者数名は記録のため同席していました。議題は女性部の組織について、ろう女性の権利回復、女性部の会員拡大などでしたが、やはり話題は「権利」に集中しました。
2024/06/01
先日、友人のご両親のダイヤモンド婚式のお祝いがありました。ダイヤモンド婚は結婚60年です。75年になるとプラチナ婚式というそうです。60年間共に元気に過ごしてこられたことはとても素晴らしいですね。20数年の人生で出会ったたくさんの人たちの中から伴侶となる人をひとり選定した理由は何でしょう? それは偶然なのでしょうか、必然なのでしょうか。
宇宙は138億年前のビッグバンにより誕生し、46億年前に地球を含む太陽系が作られたと言われています。その後、地球はドロドロぐちゃぐちゃ熱々の状態の中さまざまな有機物を生成し蓄積していきました。そして、少しずつ海の温度が下がった40億年前、初めての生物であるバクテリアが誕生したと言われています。生命維持のためには水あり、熱すぎず寒冷すぎず、適切な重力がなければなりません。それは太陽と地球の程よい距離によって生まれているそうです。このように、宇宙の誕生は偶然かもしれませんが、生命の誕生はしかるべき条件がそろったことによる必然と言えるかもしれません。さらにバクテリアは種類を増やし、光合成をするバクテリアがせっせと酸素を生成するようになりました。
2024/04/01
年度が改まる春は、出会いと別れの季節です。宮通研から旅立つ人、宮通研に仲間入りしてくれる人の出入りがありますが、ぜひそれぞれの場所で、「全通研」「手話」を合言葉にご活躍いただきたいと思います。毎月皆さんのお手元に届けている『まざらいん』も新年度を迎えるにあたりマイナーチェンジしました。どこが変わったか見つけていただけましたか? はい、そうです。文字をみんなにやさしいUDフォントにしました。運営委員や「まざらいん」編集チームの皆さんの投票によって選ばれたフォントです。新年度も宮通研情報をたくさんお届けできるよう頑張りますので、どうぞお楽しみください。
2020年から3年以上にわたり人々の行動に影響を与えた新型コロナウイルス感染症は、昨年5月に感染症法上第5類に移行となりました。これにより、3年間制限されていた「人々が集まること」に対する規制が緩和され、大学等は対面授業に戻り、各団体の行事も集合形式に戻ってきました。
2024/03/01
「あけましておめでとうございます」と挨拶する間もなく、2024年は大変な年明けとなってしまいました。1月1日に発生した能登半島地震により、亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災されたすべての皆様に心からお見舞い申し上げます。また、被災者の救済と被災地の復旧・復興支援のためにご尽力されている方々に深く敬意を表します。
激しい揺れと津波による被害は、東日本大震災を経験した私たちにとっては、とても他人事とは思えません。被災地のニュースを見るたびに、3.11の記憶が引き出されてしまった方も多いかもしれません。
阪神淡路大震災はボランティア元年と言われるように、全国からボランティアが被災地に結集し支援活動を行いました。聴覚障害者関係では、全日本ろうあ連盟と全通研など関係団体が協力して、被災地に手話通訳者を派遣しました。東日本大震災のときは、厚生労働省の通達により、全国から手話通訳者を被災地に派遣することになりました。宮城に派遣された手話通訳はのべ82人が648日間活動を行いました。
2024/01/01
年頭にあたり、新年のご挨拶を申し上げます。
日本漢字能力検定協会は毎年「今年の漢字®」を募集し、12月12日に発表しています。2023年の第1位を獲得した漢字は「税」でした。2014年に続いて2回目の第1位とのことです。一年を通して「税」に関する話題が多く、生活に直結している問題でもあり関心度が高かったことと思います。
物価高騰の背景には、海の向こうの戦乱があります。2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻はいまだ収束の気配をみせず、さらに10月にはハマスとイスラエルの戦闘が始まりました。新型コロナウイルス感染症の不安に続き、世界は有形無形の不安におびえているように思います。辰年は政治上の大きな変化が起こる年と言われています。2024年はぜひ良い大きな変化が起きることに期待したいものです。
全国手話通訳問題研究会は創立50周年を迎えます。1974年に誕生した全通研は、一貫して「聴覚障害者福祉の向上と手話通訳者の社会的地位の向上」を目指して活動を続けてきました。会員287名で設立した全通研は、いまや1万人弱の仲間とともに活動する団体となりました。
2023/09/01
8月は平和に思いをはせる月です。「広島平和記念式典」「長崎平和祈念式典」「終戦の日」「お盆(盂蘭盆会うらぼんえ)」など、戦争に関する話題が増え、先祖や故人を偲びつつ命を考える機会が続きます。そして、8月には全通研集会~サマーフォーラムが開催されます。今年徳島県で開催されたサマーフォーラムは、4年ぶりの対面形式の集会となりました。3年前、石川で予定されていたサマーフォーラムはコロナのため中止となり、2年前と昨年のサマーフォーラムは開催地以外の方々はオンラインで参加する形式となりました。このように、当然あると思っていたことが突如制限されたり奪われたりすることで、初めて「ある」ことのありがたさを感じるものです。
全通研集会~サマーフォーラムでは講座と分科会があります。4つの講座の中には必ず「人権」をテーマにしたセクションがあります。今回も、記念講演に始まり諸講座で人権と平和のことが語られました。日々、それなりに暮らせていると「平和」を意識することは少ないかもしれません。そもそも平和は空気と同じように、すべての人々が意識せずに享受できるものであるはずです。
2023/08/01
7月4日(火)~9日(日)、韓国・済州島でWASLI Conference 2023 in South Korea(世界手話通訳者会議in韓国)が開催されました。世界手話通訳者会議は4年ごとに開催されており、今回は6回目になります。参加者は、69か国・地域から455人(会場379人/オンライン76人)。日本の参加者は 31人(会場29人/オンライン2人)でした。
世界手話通訳者会議を開催するには、まず、招待者(実行委員長)を選任します。これは開催地に関係なく立候補を募り、その中から選任されます。今回は、初のアジア開催ということもあり、マレーシアのルーシー(聴者)とアンソニー(ろう者)が共同招待者に選任されました。そして、二人を中心に、2年半の時間をかけて韓国のスタッフやアジアの近隣国と協力しあいながら準備を進めてきました。コロナ禍によりオンライン行事が普及してきましたが、今回の世界手話通訳者会議は、集合型で行うことを目指して準備を進めてきました。379人が参集した会場ではあちこちで国際手話が飛び交い、世界中の手話通訳者が集合を喜んでいる様子が見られました。
2023/04/01
新年度あけましておめでとうございます。
3年間私たちを苦しめた新型コロナウイルス感染症もようやく下火になり、ポストコロナ、ウィズコロナの段階になりました。マスク着用は個人の判断にゆだねられ、行動の制限も緩和され、久しぶりに明るく晴れやかな春となりました。春は別れと出会いの季節です。卒業や入学を見守ってくれるサクラですが、仙台のソメイヨシノは、今年は例年より13日も早く開花しました。みみサポ向いの錦町公園でもきれいに咲いています。日本のサクラは野生種だけで11種類あり、それぞれ開花時期が異なることから、比較的長い期間花を楽しむことができます。開花から満開になっていく様子は気分を高揚させてくれますし、花吹雪にははかなさと潔さを感じさせられます。古来、数々の詩歌に詠まれ、現代においても歌謡曲の題材に取り入れられるなど、日本人にとってサクラは特別な花ですね。春は芽吹きの季節、いのちを感じる季節です。
3月18日(土)、全通研第4回WEBアカデミーが開催されました。今年度最後のWEBアカデミーは、「『優生保護法』聞こえない人と家族・手話に関わる人~障害者が子どもを産み育てる選択を否定した法律~