36年の絆その先へ 歩み続ける宮通研(全通研50周年記念キャッチコピーパクリ)

 2024年度は全通研創立50周年の記念すべき年です。全通研では2年前から3つのセクションを設けて50周年記念事業に取り組んできました。記念キャラクターとキャッチコピーの募集に始まり、プレ50周年WASLI韓国ツアー、記念グッズの製作・販売、50周年記念誌の編纂と発行、そして10月に開催された記念式典と祝賀会です。宮通研でも記念グッズや50周年記念誌を販売したり、50周年記念式典を観る会を開催しました。また、全通研設立以前から通訳活動を続けてこられた会員を講師に迎えて、50余年の通訳業界の変遷を共に学び、全通研の果たした功績を共有しました。

 このような、節目の年に、宮通研にはさらに嬉しい出来事がありました。宮城県文化の日表彰で保健衛生功労を受賞したのです。設立以来36年間にわたる私たちの活動を認めていただいた証かと思います。とても誇らしく嬉しく思います。また、宮通研を推薦してくださった宮城県聴覚障害者福祉会と担当職員に心から感謝いたします。

 

 宮通研は1988327日の設立総会をもって誕生しました。誕生までの道のりは平坦ではなく、団体設立の構想が持ち上がってからも数年の歳月を要しました。通訳者をはじめ関係者との意見調整を繰り返す中、隣県が先に全通研支部を結成していきました。何をする組織なのか、既存の聴者集団とどのような違いがあるのか、役員をどうするか、規約をどうするかなど、実にさまざまな準備と調整を行って、ようやく「全通研宮城県支部」として誕生したのです。

 その後の道のりも楽ではありませんでした。初年度33名だった会員は、2年後には14名に減りました。暗中模索状態の団体に入会しようと思う人はいませんよね。それでも、「学習と対話」をスローガンに活動を続け、10周年を迎える1998年には会員数が153名になりました。学習会の定例化、年1回の特別手話講座、県手連や隣県支部との合同研修会、支部機関紙の定期発行など、よいと思ったことは何でもやってみよう精神でここまで来ました。

 これまで、のべ4,485人が会員となり、156人の方々が運営委員として宮通研に貢献してくださいました。途中で名前が変わった方もいれば、鬼籍に入った方もいて、36年は決して短い年数ではなかったと思います。会費も6,000円から10,000円になりましたが、この皆さんの会費のみで宮通研は運営を続けてきました。そして、東日本大震災やコロナ禍を乗り越え、学習と対話を続けることで、今日も皆さんとともに活動を続けることができます。

 

 宮通研と宮通研を支えてくださる皆さんは、私たちの誇りです。文化の日表彰という栄誉に恥じないよう、次世代の通訳者や聴覚障害者、関係者に貢献できる知識と力を継承していきたいと思います。これからも宮通研をよろしくお願いいたします。

 

 

会長  宮澤典子