8月15日~18日、インドネシア・ジョグジャカルタで、WASLIアジア手話通訳者会議2024が開催されました。インドネシアを訪れるのは初めてのことで、文化の違いなど痛感することがありました。
まず、インドネシアは約13,500もの島々からなる世界最大の島しょ国家です。人口は約2.75億人で、インド、中国、米国に次いで世界第4位。総人口の約6割が全国土面積の約7%に過ぎないジャワ島に集中しています。今回アジア会議が開催されたジョグジャカルタも首都ジャカルタもジャワ島にあります。残りの4割が1万3千余りの島々で暮らしています。一つの国とはいえ言語も文化も異なる300もの民族が共存しています。イスラム教を信仰している人が約87.2%で世界最大のイスラム人口を有しますが、イスラム教は国教ではありません。しかし、公的に認められた6つの宗教(イスラム教、キリスト教(カトリック・プロテスタント)、ヒンズー教、仏教、儒教)いずれかへの信仰が必要とされています。ムスリム(イスラム教徒)は一日5回礼拝します。空港では、随所に礼拝室が設けられています。男女別の室内にはメッカの方角を示す印があり、信者は足を洗って入室し、メッカに向かってお祈りします。また金曜日の集団礼拝は最も重要な礼拝で、会議中の金曜日11:30ムスリムの参加者は会場近くにあるモスクに出かけていきました。
世界のハブ空港は広大な施設が多いものですが、ジャカルタのスカルノ・ハッタ国際空港もとても広い空港で、同ーターミナルなのに国際線から国内線への乗り継ぎで1万歩余り歩きました。空港内のあちこちに消火器が設置されていて、この置き方がまたユニークなのです。眺め ながら歩くことで広い空港を楽しみながら移動することができました。また、広いためかスタッフはキックボードやセグウェイに乗って移動していました。羽田空港では見ない光景だなぁと思いました。
空の旅といえば、日本の大航空会社のANAとJALはそれぞれ機内安全ビデオ(搭乗の注意などを説明するビデオ)に手話通訳が付いています。通訳しているのはどちらもろう者です。ANAは機内のモニターに映し搭乗者全員が見られるようになっています。日本語の説明には日本手話の通訳が、英語の説明には国際手話の通訳が付いています。JALは機内エンタテインメントモニターのビデオのメニューの中にあり、自分で見に行く必要があります。インドネシアのガルーダ・インドネシア航空の安全ビデオにも手話通訳が付いていました。作り方、ワイプの形もさまざまですね。いずれにしても自分の望む言語で情報にアクセスできることが大切ですね。
さて、全通研は今年創立50周年を迎えました。2年前から50周年記念事業を準備・実施してきましたが、いよいよ10月5日の記念式典・祝賀会でクライマックスです。記念式典・祝賀会は神戸市で開催され約200人が参加する予定です。また、全国各支部では、式典の様子をオンライン配信で見ることができます。宮通研でも伊達班と共同企画として「宮通研特別企画・全通研創立50周年を祝う会in仙台」を開催します。ご自宅からみることもできますが、会場では、できたてほやほやの50周年記念誌を手にすることもできますし、仲間同士言葉を交わしながら参加することができます。ぜひ、記念すべき50周年を共に祝いましょう!
会長 宮澤典子