対話が人をつくり 対話が社会をつくる

年度が改まる春は、出会いと別れの季節です。宮通研から旅立つ人、宮通研に仲間入りしてくれる人の出入りがありますが、ぜひそれぞれの場所で、「全通研」「手話」を合言葉にご活躍いただきたいと思います。毎月皆さんのお手元に届けている『まざらいん』も新年度を迎えるにあたりマイナーチェンジしました。どこが変わったか見つけていただけましたか? はい、そうです。文字をみんなにやさしいUDフォントにしました。運営委員や「まざらいん」編集チームの皆さんの投票によって選ばれたフォントです。新年度も宮通研情報をたくさんお届けできるよう頑張りますので、どうぞお楽しみください。

 

2020年から3年以上にわたり人々の行動に影響を与えた新型コロナウイルス感染症は、昨年5月に感染症法上第5類に移行となりました。これにより、3年間制限されていた「人々が集まること」に対する規制が緩和され、大学等は対面授業に戻り、各団体の行事も集合形式に戻ってきました。宮通研では、コロナ禍中に導入したオンラインの利便性を残しつつ、人と会ってコミュニケーションする大切さを取り戻すため、ハイブリット形式で運営委員会や学習会等を行うようにしました。当たり前にあると思っていたものは、失って初めてその大切さを痛感するものです。ICT技術が発展し、デジタル化社会が提唱されているなか、私たちは対面によるコミュニケーションでこそ体験できる人間らしさを取り戻したいと思います。

 

さて、2024年全通研は創立50周年を迎えます。2年前から50周年記念事業の準備を始め、皆さんに事業をお披露目する日が近づいてきました。昨年7月にはプレ50周年記念事業として、WASLI Conference 2023 韓国ツアーを実施しましたが、本番となる50周年記念事業は3つあります。ひとつは記念グッズの販売、もうひとつは50周年記念誌の発行、そして50周年記念式典と祝賀会です。記念グッズは5種類。宮通研定期総会の会場で購入することができます。あちこちに「ふぃ~る」が登場していてかわいいです。そして、定期総会に参加してくださった会員の皆さんには、50周年記念クリアファイルをプレゼントします。ぜひ、総会会場でお受け取りください。

全通研は創立から50年かけて、社会に手話通訳の必要性を訴え、ろう者に押し付けられているさまざまなバリアの撤廃に向けて取り組んできました。それは会員同士の対話をはじめ、全日本ろうあ連盟や日本手話通訳士協会、さらに全国手話研修センターとの協働によって、少しずつ前進させてきたものです。50周年記念誌から共に50年の歴史を学び、対話をとおして一緒に次の一歩を踏み出しましょう。

新年度もどうぞよろしくお願いいたします。

            会長  宮澤典子