「あけましておめでとうございます」と挨拶する間もなく、2024年は大変な年明けとなってしまいました。1月1日に発生した能登半島地震により、亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災されたすべての皆様に心からお見舞い申し上げます。また、被災者の救済と被災地の復旧・復興支援のためにご尽力されている方々に深く敬意を表します。
激しい揺れと津波による被害は、東日本大震災を経験した私たちにとっては、とても他人事とは思えません。被災地のニュースを見るたびに、3.11の記憶が引き出されてしまった方も多いかもしれません。
阪神淡路大震災はボランティア元年と言われるように、全国からボランティアが被災地に結集し支援活動を行いました。聴覚障害者関係では、全日本ろうあ連盟と全通研など関係団体が協力して、被災地に手話通訳者を派遣しました。東日本大震災のときは、厚生労働省の通達により、全国から手話通訳者を被災地に派遣することになりました。宮城に派遣された手話通訳はのべ82人が648日間活動を行いました。今回は、被災地の特性もあり、石川県聴覚障害者協会が中心となって支援活動を行い、石川県内の手話通訳者が被災地に入り手話通訳を行っています。
東日本大震災のとき、被災した障害者や高齢者に視点をあてた報道が目立ちました。この13年の間に法制度が整備され、今回は福祉避難所を開設したり、比較的早い時期に広域避難ができました。安全を確保することが何より優先すべき課題ではありますが、変化を受容しにくい障害者も多く、すべてをまかなえる万能の支援方法はありません。がれきの撤去、家屋の修繕、インフラの復旧など、すべてに人手と資金が必要です。
現地で頑張ってくださる方々や、必要な支援活動を支えるため、せめて支援金・義援金に協力したいと思います。聴覚障害者災害救援中央本部では、支援基金構築のため皆さまに募金をお願いしています。宮通研が開催した特別手話講座や、今後開催される耳の日記念手話まつり、各団体の定期総会などで、募金箱を設置いたします。皆さまのご協力をよろしくお願いいたします。
会長 宮澤典子