ハッピー・ハロウィンでエンパワメント

いつの間にか季節が変わり、秋を飛び越して、そろそろ冬の気配です。新型コロナウイルスに翻弄された2021年も残り2か月。緊急事態宣言、まん延防止等重点措置、リバウンド防止徹底期間など、次から次へと行政措置が講じられ、活動に制限がかけられてきましたが、最近は新感染者数も激減し、少しほっとした雰囲気です。

 

近年、ハロウィンのイベントが盛んになってきました。日本のハロウィンは仮装して楽しむことが多いようですが、今年は三密を避けるためもあって、バーチャルのハロウィンフェスティバルなどもあります。ICT、高速インターネット、コロナ回避などの諸条件が重なってどんどん新しい様式が生み出されています。

 

ハロウィンといえば、アメリカの西海岸、オレゴン州にあるろう学校によるナイトメア・ファクトリー(お化け屋敷)を思い出します。オレゴンろう学校では、30数年前から、生徒たち手作りのナイトメア・ファクトリーを開催しています。この30数年の間にどんどん規模が大きくなり、いまでは期間中に1万5千人が入場するほどになりました。入場料はひとり15ドル(≒1,710円)。期間中に2,565万円もの収入になりますね。この収入はオレゴンろう学校の運営資金となります。

 

生徒を中心とした60人のスタッフが、お化け屋敷の設計から建設、キャラクターのメイクや衣装まで準備します。この取り組みは、学校の運営資金を調達するだけでなく、生徒たちのエンパワメントになっています。この経験をとおして、アーティスト、メイクアップ・アーティスト、デザイナー、コスチューム・デザイナーなど、さまざまなスキルを身につけ、それを将来のキャリアに活かしていくのです。「わたしたちは聴くこと以外はなんでもできる」と地域社会にアピールすることにもなっているようです。

 

このナイトメア・ファクトリー、本当に怖いそうです。数年前に、ある研究会がオレゴンで開かれました。そのオプショナルツアーにこのナイトメア・ファクトリーがありました。怖がりの私はお留守番組でしたが、参加してきた友人たちの話を聞くと、本当に怖かったそうです。一番驚いたのは、無事迷路から出てほっとしているところで、突然そばの木が動いたことと言っていました。何事もほっとして気が抜けたときが一番危険ですよね。

残念ながらコロナウイルスはなくなりません。これからもマスク着用と手指消毒を徹底していきましょう。

      会長  宮澤典子